不妊治療とは
不妊症とは、妊娠を望む健康なカップルが避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態をいいます。日本では、この一定期間を「1年というのが一般的である」と定義しています。
不妊症は決して珍しい問題ではありません。現在、6組のカップルのうち、1組は不妊症として悩んでいるといわれています。
当クリニックでは、不妊スクリーニング検査を行いながら、タイミング指導、人工授精までのなるべく自然に近い形での妊娠を目指します。
治療の経過から体外受精の方が効果的と判断した場合は、体外受精等が可能な高度不妊治療の専門施設にご紹介します。
当クリニックで行う主な不妊スクリーニング検査
不妊症の治療に入る前に、まず何が妊娠の妨げになっているのかを調べる必要がありますので、パートナー(女性・男性)ともに不妊検査を行います。当クリニックで行う主な不妊検査は次の通りです。
女性
問診
月経の状況や過去の妊娠・出産、既往歴(過去の病歴)、日頃の生活習慣などについてご質問いたします。
内診・経腟超音波検査
子宮や卵巣を産婦人科的に診察します。押して痛い箇所が無いかをみたり、超音波で子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの病変が無いかの確認を行ったりします。
子宮卵管通水検査
子宮に細い管を挿入して、生理食塩水を用いて、卵管が通過しているか確認します。検査は超音波を併用しながら行います。
血液検査
血液を採って、ホルモン検査や糖尿病などの全身疾患に関する検査を行います。
フーナーテスト
性交後に腟に射精された精子の数と動きを調べることにより、子宮内に十分な精子が侵入しているかどうかを推測します。
AMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)
血液を採って、卵巣の予備能を調べる検査です。
男性
問診
不妊症の原因となるものがないかを、日頃の生活習慣や既往歴(過去の病歴)などを通して確認します。
精液検査
男性不妊症の診断・治療において最も基本的な検査です。精液の量や濃度、運動率、精子形態などを調べます。
治療について
当クリニックで行う主な治療法は次の通りです。
タイミング指導
タイミング指導は、不妊検査で目立った原因が見当たらない場合に行われます。主に基礎体温表や超音波検査で排卵日を予測し、排卵日前後に夫婦生活を持つことによって妊娠を目指します。
排卵日の判定は、クリニック等で行うこともできますが、排卵判定薬を使用することもあります。また患者様自身が基礎体温をつけて、自らの排卵を推定する方法も考えられます。治療期間は、半年~1年ほどが目安になりますが、ご希望により、期間には差が生じてきます。
人工授精
洗浄した精子を子宮の中に送り込む治療法が人工授精です。精子が女性の体内に進入するプロセスというのは通常の性行為とは異なりますが、その後の受精と着床については自然な経過で妊娠が成立する場合と同じです。
精子を調整することで、精子の運動率を上げ、精液に含まれる細菌の数を減らすことを目的とします。
人工授精は、不妊検査で精子の数が少ない、精子の運動率が低いなど、精子に問題があると認められた場合をはじめ、頸管粘液が少ないなど女性側に問題がある場合、さらにフーナーテストで、精子が子宮に入っていない可能性がある場合などに行われます。